若者たちが互いの国を訪問、研修/日韓次世代交流事業を実施

「田内千鶴子生誕110周年記念行事」を通じた日韓次世代の交流と親睦事業」が今年初めて行われました。
この事業は公益財団法人日韓文化交流基金と社会福祉法人こころの家族の補助金支援により実現したもの。参加者は、日本からは故郷の家・神戸職員の中澤皓樹さん、故郷の家・京都職員の仲濱愛海さん、公募を通して選ばれた斧明佳里さん(関西学院大学社会学部社会学科3回生)という、いずれも20代の3名。韓国からはコ・スンチェさん(共生福祉財団・家庭委託支援センター相談員)、シム・チュチャンさん(同)の2名が参加しました。
日本側の3人は10月28日に木浦で開催された田内千鶴子生誕110周年記念式典に参加し、韓国側の2人は11月8日から大阪・京都・神戸の福祉施設(高齢者・障がい者・児童施設)を中心に見学をしました。


木浦の共生再活院にて。前列左端に中澤皓樹さん、 前列右端に斧明佳里さん、その左が仲濱愛海さん

故郷の家・京都にて。左から3人目がコ・スンチェさん、 その右がシム・チュチャンさん


研修を終えて

=参加者の感想文から=

もっと福祉について知りたい!と感じた

  印象的だったことは「福祉は国境を超える」ということです。「田内千鶴子誕生110周年記念式典」に参加した多くの日本の方々や韓国の方々を見て、日本・韓国という国籍に関わらず、「誰かを大切に思い、奉仕したり、愛情を注いだりすることは、すべての人間に共通する行為」なのであり、それが『福祉』であることを知りました。
「共生園」はその歴史が作られた場所であり、式典に集まった方々はその歴史を引き継ぐ人々であり、私もその1人なのだと気が引き締まる思いでした。
今まで、福祉について興味がなく、「みんなが生きやすい社会にするには、ひとりひとりの意識を変えることが必要」など、きれいごとを言いながら社会を見ていましたが、今回の式典への参加や共生園の見学を通して福祉の歴史を知り、福祉に興味を持ち、もっと福祉のことについて知りたい!と強く感じました。 学生の私には、できることは少ないと思いますが、高齢者の方々や子どもたちと積極的にコミュニケーションをとり、「相手の幸せ」を理解していきたいと思っています。 (関西学院大学社会学部3年・斧明佳里)

印象的だった日韓の地域福祉の違い

 〝住民主体〟という理念に立脚した地域福祉の実現を目標にする日本の多様な社会福祉事業に対して大阪府社会福祉協議会で講義を受けたことが印象的でした。社会福祉の主体が〝国家と社会福祉士〟だけでなく地域社会と住民であるということを学びました。韓国での社会福祉は政府と社会福祉士が担当しなければならないという考えをもってしまいがちです。
韓国の社会福祉発展のためには、地域住民が共に、そして主体となれるような社会福祉ネットワークの形成が重要であると認識しました。 (全羅南道家庭委託支援センター相談員 シム・チュチャン)

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