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人間愛を政治の柱に、外交の柱に
 日韓フォーラム賞授賞式で理事長語る

  2021年11月13日、東京とソウルで開催された第28回日韓フォーラムで、本法人の田内基(尹基)理事長に第5回日韓フォーラム賞が授与されました(写真)。長年、韓国孤児や在日韓国人高齢者のための施設運営を通して、日韓両国で社会福祉活動に寄与し、日韓友好にも尽力してきたことが評価されたものです。

 日韓フォーラムは、199 3年の日韓首脳会談に基づき設置された民間レベルの政策協議のためのフォーラムで、Korea Foundationが韓国事務局を、日本国際交流センターが日本事務局を務めています。未来志向の日韓関係のあり方を検討するために両国のオピニオンリーダーの参加のもと、政治、経済、文化など幅広い分野にわたり両国の交流の推進を図っており、毎年開催されています。今年はコロナ禍の影響で両国の会場をテレビ会議システムで結んでの開催となり、両国の関係者約40名が率直に意見を交換しました。

■「日韓フォーラム賞」について
 日韓フォーラム賞は、2016 年、日韓関係に功績のあった個人、団体等を顕彰し、宣揚する意義を込めて、日韓両国議長の合意を得て設置されました。日韓フォーラム賞によって、日韓関係に寄与した功労者を正しく顕彰し、ひいては、市民レベル・草の根交流の促進と拡大をはかることを目的としています。これまでの受賞者は下記の通りです。

 第1回(2016年度) 若宮啓文 元朝日新聞主筆
 第2回(2017年度) 崔書勉 国際韓国研究院理事長
 第3回(2018年度) 朝鮮通信使縁地連絡協議会、釜山文化財団(共同受賞)
 第4回(2019年度) 孔魯明 元外交部長官、東アジア財団埋事長


授賞式にて。左は日本側議長・小此木政夫慶応大学名誉教授

同。左は韓国側議長・柳明垣元外交部長管


■日韓フォーラム賞受賞辞(抄録)  

韓国生まれ・日本人の私が日韓フォーラム賞をいただきました。日韓フォーラム賞は私にとっては非常に重いものです。
 昨年6月、文在寅大統領ご夫妻が来阪された際、歓迎会を兼ねた在日同胞懇談会で、私の両親が歩んで来た韓日共生の生涯を次のように紹介しました。

 91年前、キリスト教伝道師であった父・尹致浩は「共生園」を設立しました。孤児の世話をする尹致浩を木浦市民は「乞食大将」と呼びました。笑顔を失った子どもたちに音楽の先生が必要だと考えた父に、日本人で音楽教師であった田内千鶴子(尹鶴子)が力になってくれました。
 彼女は朝鮮総督府の官吏の娘でした。共生園で奉仕する中、尹致浩の孤児に対する愛の精神に感動、結婚しました。6・25朝鮮戦争の時、尹致浩は行方不明になり、日本人の田内千鶴子(尹鶴子)はあらゆる苦難を乗り越え、3千人の孤児を育てました。
 その母が疲れ果て、やがて倒れてしまい、病床で私への最期の言葉は「梅干しが食べたい」という日本語でした。
 独身であった私は320人の孤児たちの父となり、同志社大学で社会福祉を専攻し、共生園の姉妹施設で働いていた日本女性、福田文枝と結婚しました。
 1972年に、彼女は大阪から海を越え木浦にやって来ました。私と力を合わせて共生園を運営し、ソウル市からソウル少年少女職業訓練院、岩寺洞専門学校を受託経営しました。そこで福祉は自立が重要であることを学びました。
 アジアの共生を夢見て1982年に東京事務所を開設、「こころの家族」運動を開始しました。そして在日同胞高齢者の孤独死を新聞記事で知りました。その時、私の頭に母の最期の言葉 「梅干しが食べたい」がオーバーラップし、在日同胞高齢者のための老人ホーム「故郷の家」を作りました。
 心ある多くの日本人が参加し、温かい同胞愛と一緒になり大きな成果を出すことができました。自分たちが住む町にも「故郷の家」を待ち望んでいるという話を聞き、大阪、神戸、京都、東京にも作りました。いつの間にか、「故郷の家」は日韓の市民協力のシンボルのようになりました。

 「新しい時代には新しい人が共生園を運営しなければならない」と娘・緑が海を越えて大阪から木浦に行きました。イギリス、アメリカ、日本で勉強した娘は、共生園の公益化、透明化、専門化を宣言し、法人の理事に感動を与えました。
 故小渕元首相は自民党総裁選に立候補した際、「最も感動したことは何ですか?」という質問に対し、共生園の園長である尹緑(田内緑)を紹介したNHKの番組とおっしゃいました。共生園には、今も小渕元首相が植えてくださった梅の木が育っています。
 二階自民党幹事長はご自身も記念植樹をしたいと、360人余りを率いて共生園を訪問されました。
李洛淵全羅南道知事(当時)は共生園を訪問し、「人間愛で国を超えた共生園」という文章を残してくださいました。
 故金大中大統領夫人の故李姫鎬女史は、故郷の家・京都にムクゲの花を植えてくださり、故郷の家には、今でも韓国から福祉を勉強する学生が絶えず見学に来ています。
 「故郷の家」は、単なる福祉施設ではなく、日韓の正しい歴史を理解する現場です。
 人間愛が政治の柱となり、外交の柱となれるよう、日韓・日韓フォーラムの委員の方々が導いていただき、リーダー国となった日韓両国が手を携えて世界の未来のために子どもたちのために貢献することを念願します。

(田内 基)



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