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第7回日韓こころの交流シンポジウム 開かれる
2003年から日本と韓国で交互に開催している「日韓こころの交流」シンポジウムが
、2009年11月20日、韓国慶尚南道馬山市陽徳洞「3・15ア−トホ−ル」で開か
れました。7回目になる今回は、「高齢化社会とソ−シャルワ−カ−の役割・社会福祉人
材国際交流にむけて」というテ−マで、韓国から450名、日本から50名が参加。プロ
グラムの最初に、大橋謙策日本社会福祉事業大学学長、崔聖載ソウル大学校教授の日韓の
社会福祉を牽引するお2人が講演。大橋学長は、ケアワ−クの重要性とソ−シャルワ−ク
と連動したト−タルケアワ−クが今後必要になってくることを、崔教授は、韓日間でのソ
−シャルワ−カ−の国際協力や援助、交流の大切さについてお話されました。
一線で活躍する両国の研究者からの事例発表に続いて行われたパネルディスカッション
では、アジア文化圏の福祉モデルの実践理論と課題を模索。多文化・高齢社会に対応でき
る社会福祉士が求められている国際情勢を視野に入れた話し合いを通じて、参加者同士の
交流と理解が深まりました。
慶南総合社会福祉館を見学して 松浦江津子(故郷の家・総務)
第7回こころの交流シンポジウムが開催された20日の午前9時〜11時30分、慶南
総合社会福祉館を見学しました。1987年に開設された福祉館は、地域の老人・子供・
家族へのサポ−ト事業として、給食サ−ビス・日常生活サ−ビス・障害者へのサ−ビスな
どを実施。教育文化事業では、英語・日本語・中国語の勉強の他、職業訓練校の開校・支
援もしています。さらに、自殺予防事業では、新聞に自殺予防の記事を載せて自殺防止を
訴えていますが、この事業をしているのは同福祉館だけです。
福祉館に併設された老人福祉センタ−の事業には、ヘルパ−事業とデイサ−ビス事業が
あります。ヘルパ−事業は1995年に開設され、利用者数は95名で、館長を含む職員
数は19名。身体介護が中心で、介護度は1〜3段階に区分されています。
デイサ−ビス事業は1996年に開設されましたが、介護保険制度により利用者7人に
対して職員1人が対応。60名の利用者の平均年齢は70歳以上で、介護保険対象者でな
くても利用できます。2008年に開始された介護保険制度下では、15%が自己負担で
85%を国の保険公団が負担。1ヵ月の自己負担額は約400円(食事代は別途必要)で
す。
デイサ−ビスのご利用者さんは皆さんお元気で、私たちをすごく歓迎してくれました。
握手をしたり、日本語のわかる方とお話をしたり、最後に「アリラン」を大合唱をして、
楽しい一時を過ごさせていただきました。
また、福祉館の職員たちの対応も温かく、平均年齢25歳位の若い人たちが働いていま
した。介護保険制度の開始は日本が早かったのですが、韓国では子供から老人までを一つ
の組織として制度を考え、取り組んでいるのは凄いです。韓国はケアマネ−ジャ−の制度
がないのにプランが出来ているのは、ソ−シャルワ−カ−やボランティアの人たちの協力
があるからではないかと思いました。
日本から韓国研修に参加した各故郷の家の職員8人は、シンポジウム会場になった馬山
市に隣接する昌原市内や釜山タワーなどを観光。歴史遺産や緑に恵まれた公園が多くある
昌原市では、韓国の伝統的な家屋の姿を残している「昌原の家」や「城山貝塚」を散策。
お天気にも恵まれ、韓国の豊かな自然と人の温かさにふれることができました。
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