HOME > トピックス一覧 > 2010年 > 田内千鶴子を偲ぶ会報告
高知の「田内千鶴子を偲ぶ会」に参加して

田内千鶴子の誕生日で命日でもある10月31日、生誕の地・高知市で毎年行われてい
る「田内千鶴子を偲ぶ会」に、昨年は故郷の家の堺から2名、神戸から2名、大阪から1名、京
都から2名の韓国籍の職員が参加しました。同市若松町の「田内千鶴子生誕の地」記念
碑前で行われた追悼礼拝、施設見学や講演会にも参加。その感動と研修の成果を文章に綴
っています。
「田内千鶴子を偲ぶ会」に参加して
韓ソンイ(故郷の家・神戸)
日本に来てから初めて他施設を訪問することになったので、大きな期待感で胸がいっぱ
いでしたが、高知県は静かで景色がとても素晴らしいところでした。特別養護老人ホ−ム
「ウエルプラザ洋寿荘」は木造建築で、建物内は安楽な雰囲気があり、外から見える海と
の調和が完璧でした。
また、利用者さんと職員の明るい笑顔がよくて、室内に飾られているいろんな種類の調
度品も素晴らしく、美術館に来ているような錯覚を覚えました。
故郷の家が韓国と日本の文化を感じる場所であるように、「ウエルプラザ洋寿荘」は健
康と長寿が特徴的ではないかと感じました。利用者さんのご家族に配慮して、下駄箱が別
々になっていたり、一緒に寝ることができるゲストル−ムが用意されていたりしました。
さらに、野菜を栽培したり、卵を取るために鳥を育てたりしていることが印象深く、いろ
んな楽しみを満喫することができると思いました。短い時間でしたが、「ウエルプラザ洋
寿荘」は温かくて、利用者さんにとって心地よいところになっていることがわかりました。
施設見学に続くプログラムの記念碑建立12周年記念礼拝では、記念日の意味を理解することができました。追悼式に参加する前は、写真を見て話を聞いていただけでしたが、
実際に記念碑の周囲を囲む3000個の石を見て、もう一度田内千鶴子さんのイメ−ジを
頭に浮かべてみました。多くの人の追慕のなかで、永遠に記憶されている「韓国孤児のお母さん」としての人生を振り返ってみる時間を持つことができました。
追悼式の後で開催された記念講演の中でも、自分に排他的な国で何一つ支えるものもな
い大変な時期に、身一つで3000人の孤児たちと苦楽を共にした田内千鶴子さんの人柄
に、愛を感じるようなお話がありました。その人生はただ尊敬され、称賛され、追慕され
るだけでなく、彼女の愛と実績を記憶し、後世までその愛を分かち合える人々が続いたら
いいと思いました。それが心からの追慕ではないでしょうか。
|