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  窓の外を見よう

社会福祉法人 こころの家族
            理事長  尹 基

 韓国から日本の福祉を眺めながら「うらやましい」と思うときがあった。全国社会福祉協議会に福祉予算拡大のための対策本部を常設し、年間を通して国に福祉の充実を働きかける態勢が整っていた時代だ。
 木浦共生園と兄弟施設の関係にあった大阪・自彊館の故・吉村靫生(ゆきお)理事長が陣頭指揮にあたっていた。目標は明快。福祉施設に働く職員の待遇を公務員並みのレベルにまで引き上げたい、という強い思いだった。
 あと一歩というとき、介護保険が導入され、福祉に「市場原理」が持ち込まれた。介護する職員の待遇は、介護保険の「成果給」の枠組みで決められ、いつの間にか、仕事とはおよそ釣り合わないアルバイト水準にまで落ち込んでしまった。
結果として福祉の現場は慢性的な要員不足に陥り、福祉の先輩たちが積み上げてきた50年間の努力は泡と消えてしまったかにみえる。
 一部だけとは思うが、この不況はミスマッチ解消のチャンス、という見方は、労働市場だけをみた、あまりに安易な発想である。日本のお手本とされる北欧型の「高福祉」サービスの提供を望むのであれば、「高負担」が必要になる。
 働く職員の尊厳を守り、せめて人生設計ができる待遇すらなくして、どうして豊かな福祉社会が実現できるだろうか。   

2010年4月1日




在日韓国老人ホームを作る会
故郷の家・京都支援の会
木浦共生園